【うたうたい】
2020年01月30日
明朝。
街の瞼がまだ重いなか、私は目が覚めた。
優しくのしかかる布団を名残惜しくも退け、
コーヒーを淹れるべくリビングへ旅立った。
束の間、お湯を沸かす音だけが私の心臓だ。
まだ行かぬ1月の風を浴びるべく、窓を開けてみた。
幾つであろうか。
そこはかとなく騒がしい野鳥に合わせ、少年の口ずさむ歌が聴こえてきた。
余程、バーの歌謡いの方が万人に届くであろうものであろう。
しかしながら私は、この時間がずっと続けばいいと思った。
気分が覚めぬうちに、今日は少しだけ甘いコーヒーにしてみよう。